syrup16g
2008.01.30 発売
UPCI-1076
最後のアルバムになるからデザインをやってみませんかというお話を頂いた
そしてデモテープが送られてきた 当然デモなので音質も悪く演奏もシンプルなものが多かった 
が しかし だからこそ歌が言葉がどこまでも深く突き刺さる
それから気が狂った様に繰り返しそのデモを聴いていた

結局俺はニセモノなんだ とすべてをさらけ出し削って歌うホンモノの歌

すべてを失くしてからは どうでもいいと思えた
君をなくしたのは僕だけ 君をなくしたのも君だけ
俺は狂っちまったけど 何もかもは捨てきれない
それ忘れて 遊び疲れ 踏んでコケるような人生
失ったものなど何もない いつかはわかってもらえるはず
小さくて ちっぽけな 僕たちは 一人ぼっちになってもまた 旅に出る
君がもし永遠を笑ってたいなら たった今 ここで今 未来を渡せよ
いつも同じ映画をかけて いつも同じ場面で泣く
心の中に 答えの中に 確かなものは 何一つ無い
さあ 終わりにしよう 何もかも そこから何かが始まるさ
そっと いかないで

何も無い青白い表紙のsyrup16gに涙がこぼれて滲んだ
トレー下にさよならの意味を込めて空に吸い込まれてゆく十字架に見える飛行機の写真を入れた
そして誰にも告げずこっそりと復活の祈りを込めて17を入れた

5年後にその願いは叶えられた


黒田雄一 LAD MUSICIAN

コメントを残す

CAPTCHA


“syrup16g”のレビュー

  1. これは『終わりのアルバム』なのだと、当時も今もそう思いながら聴く。良くも悪くも『解散』という言葉が添えられて初めて綺麗に成り立つ作品というか。
    歌詞にも演奏にも五十嵐氏とバンドの、『この時の出来る限り』が詰まっていて。散り際の儚さ、美しさのようなものを感じられる。
    しかし同時に、これが本来のsyrup16gの姿ではないということもわかるはず。この時はこのようなやり方で1度終わらせるしかなかった、ということなのだ。
    そんな状況下で産み落とされたにもかかわらず、決してクオリティが低い訳ではなく。やはり五十嵐氏にしか書けない曲たちであることに違いはない。『再発』を遂げて健全な形でバンドが続いている今であれば、また違った意味合いを伴って響くと思う。このアルバムと解散がなければ、きっと今のsyrup16gはなかったはずなのだから。

  2. アルバム発売当時はつらかったなぁ…。毎日毎日苦しいなぁと思って生きていて、そんな自分を唯一許してくれるのがsyrupだったから。タワレコの視聴機で「COPY」を聴いてからずっと追いかけて、ENDROLLのツアータイトル名に死ぬほど嫌な予感がして。解散の発表があった時は、「ああ、俺の一番大事なバンドがいなくなっちゃう」ってほんとにつらかった。でも

    悲しくて悲しくて涙さえも笑う
    優しさも愛おしさも笑い転げてしまうのに

    この「のに」で最後にまた救われた。

    毎日なんとか生きて、でも結局うまくもいかなくて、諦めることばっかり。人生そんなもんだし、しょーがないよな、と思っている、のに。

    それでもまだどっかに希望みたいなものがある。それが希望と呼べるのかわからないけど。でも確かにある。だってsyrupがラストアルバムでそう歌ったんだから。

    今でもこの「のに」にわずかな何かを願いながら、何とかやってます。

    でも、やっぱ、今でもこのアルバム通して聴くのはつらい。いい曲ばっかりなんだけど、やっぱり、ね。

  3. 曲をバラで聴くとかっこいい曲や優しい曲があるのですが、全体を通して聴くと、軽い曲も非常に重く感じ、今でも泣きそうです。