「HELL-SEE」によせて
この作品の中でも
人は、努力して人間性を獲得していく。
そして、この作品の中では
世界に“解決”というものはなく、あるのは保留という選択も含めた“決断”だけである。
なぜ“解決”がないか、それは、そもそもそこに“問題がない”からである。
世界や自分に期待せず、買い被らない。見くびることもなく、軽蔑もない。
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今が永遠に続いたらいいのに、という青春のクリシェは、時に来世を迎えても逃れることができない呪いのようなものを想起させる。
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人は、努力して人間性を獲得していく。これが何なのかも知らないまま人生は始まり、結局何もわからないままに人生は終わる。
目に見えず、耳に聞こえず、触れることもできない、あるのかないのかわからない何か。
その何かを“在る”と信じ、言葉を発し、振る舞い、生きる。これを宗教と言います。
人間がよりよく生きようとする時、そこには宗教的な行動が付いてくる。平和、愛、自由、なんでもいい。
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syrup16gの中でも、特に「HELL-SEE」は、いま聴かれるべき作品だと思います。
この15曲を聴いた後、ほんの些細なことでもいい、あなたは何かしか“決断”をし、それを実行する。
形は変われど、美味しいお蕎麦屋さんに行く“今度”がやってくる。
もう、未来は変わり始めている。
小林祐介(THE NOVEMBERS)
この作品の中でも
人は、努力して人間性を獲得していく。
そして、この作品の中では
世界に“解決”というものはなく、あるのは保留という選択も含めた“決断”だけである。
なぜ“解決”がないか、それは、そもそもそこに“問題がない”からである。
世界や自分に期待せず、買い被らない。見くびることもなく、軽蔑もない。
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今が永遠に続いたらいいのに、という青春のクリシェは、時に来世を迎えても逃れることができない呪いのようなものを想起させる。
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人は、努力して人間性を獲得していく。これが何なのかも知らないまま人生は始まり、結局何もわからないままに人生は終わる。
目に見えず、耳に聞こえず、触れることもできない、あるのかないのかわからない何か。
その何かを“在る”と信じ、言葉を発し、振る舞い、生きる。これを宗教と言います。
人間がよりよく生きようとする時、そこには宗教的な行動が付いてくる。平和、愛、自由、なんでもいい。
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syrup16gの中でも、特に「HELL-SEE」は、いま聴かれるべき作品だと思います。
この15曲を聴いた後、ほんの些細なことでもいい、あなたは何かしか“決断”をし、それを実行する。
形は変われど、美味しいお蕎麦屋さんに行く“今度”がやってくる。
もう、未来は変わり始めている。
小林祐介(THE NOVEMBERS)
固定観念をぶっ壊してくれた作品。
Syrupありがとう!
あの音楽業界全体がカオスだった時代に、15曲入りで1500円という半額でパッケージされたアルバムを作ることによって、syrup16gはロックバンドとして歴史を終わらせることなく何とかギリギリ生き延びることができた。
楽曲の中身も当時の日本の時代の極限とリンクしていて、ロックバンドとして非常に優秀。
この後シングルパッケージが多くなる大人の事情はさておき、このアルバムがリリースされただけで価値がある。このザラッとした音のアルバムで、インディーズでそれなりに格闘してきたバンドがメジャーで意地を見せつけた結果となった。
こういう事件をリリースしてくるから、syrup16gはたまには実物のCD買った方がいいって思っちゃいます。ただ安いだけじゃなく、今どき珍しく、ロックバンドのCDを買う意味がわかるアルバム。
高校生になり、バイトができるようになり、CDが買えるようになったころ。
ロックバンド、というジャンルをこのCDの影響でその後ずっと聴き続けている。
CD購入から15年。不眠症である今、不眠症を聴くと涙があふれる。
中身の音楽はもちろん、みんなも言ってる1500円という破格、赤いプラスチックで作られたケース、円盤に描かれた「へる氏」など、モノとしてのインパクトも非常にデカかった。70分を超える作品にも関わらず、1日のうちに何度も何度も繰り返し聴きました。syrupの中でも一番思い入れのあるアルバムです。
中学3年の秋、syrup16gのこのアルバムに出会った。CDショップでアルバムなのに1500円だったのと、なんかの雑誌で読んで名前だけは知っていたという理由で、購入。プレイヤーに入れて1曲目を聴いた瞬間から、完全に引きこまれた。当時の携帯のアドレスは、syrup16gからはじまるもの変えた。完全に染まっていた。その危うさ、皮肉、諦念、色気が、たまらなく中毒性があり、夜な夜な爆音で聴いた。
一曲目、イエロウ、の
予定調和に愛を
破壊に罰を
誹謗中傷に愛を
仕事しようよ
死体のような未来を
呼吸しない歌を
蘇生するために
なにをしようか
イエロウ
という歌詞。
2003年の当時もその冷たいリアルさ諦念の切れ味に打ちのめされたが、2019年のいま聞き返して、より一層切実に、リアルに、現状を予言していたかのように、この歌詞が響いてしまう事実。
諦念を突きつけ、聴くものを突き放しておきながら、びっくりするほど美しい曲を入れてくるあたり、凡百のギターロックには到底及ばぬ業の深さ。
ローファイな音での録音は心を内側に閉ざして聴くのにうってつけ。