delayed
2002.09.25 発売
COCP-50699
僕の学生時代はsyrup16gの音楽と共にありました。
出会いは兄に押しつけられるように渡された一枚のMDでした。
ドヤ顔の兄を尻目に半信半疑で再生ボタンを押すと流れてきたのは『delayed』の1曲目センチメンタル。
「通信簿に書かれたよ 協調性に欠けてます 」、「真空管の音が好き 高校生になったら部屋で毎日ギター弾いてた」
オレのことじゃん!笑
江沼少年の心を鷲掴みだった。
「でも心が痛い たまに届かなくて ひどい時は泣いて いいね もう」
衝撃的だった。歌詞も、曲全体の張り詰めた緊張感も。
当時クラスでは、なんだか身に覚えがないのに応援してくる音楽や、やたらと恋をしている人たちが高らかに歌うみたいな音楽が流行っていたが、僕にはシロップの方が全然しっくりきた。シロップの音楽の方がリアルだった。
登下校の時も、休み時間も、授業中でも聴いていた。
担任の先生にMDを没収されてもCDウォークマンで聴いていた。
ちなみにそのMDを未だに返してもらってない。僕は先生を恨んでいる。。。
水色の風だって大好きだ。コーラスも素晴らしい。
サイケデリック後遺症も、落堕もRebornだってこのアルバムに入ってる。最高かよ!
そんな江沼少年は数年後、キタダさん、中畑さんと一緒に仕事をさせてもらえることになるわけだが、お二人にこんな話をしたことがない。
どうかこのコメントをシロップのメンバーが見ないことを願う。
なんか照れくさいから。


江沼郁弥

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“delayed”のレビュー

  1. 初めてsyrup16gを聴いたのは中学生の頃。バンプの藤くんが参加してる曲目当てで購入したこのアルバムでした。
    “Everything is wonderful”の生々しい叫び声は当時の私には刺激的で、今でも初めて聴いた時の衝撃を覚えています。
    深い暗闇と光に包み込まれたような感覚になる作品。

  2. ドラム、ベース、ギター。
    3ピースでシンプルなのに、ここまで美しいメロディと世界感を表現出来るのかと改めて思う。
    兎に角、聞いて触れて欲しい。

  3. 僕も例に漏れず、「藤くんがコーラスをやってるから」というきっかけで”水色の風”目当てにこのアルバムを初めて手に取りました。
    その当時の感想は、「やっぱり藤くんカッコ良いなぁ」とか「”体を切り刻め”って怖いこと歌うなぁ」みたいなレベルだったのを覚えています。
    その後、何故か聴けば聴くほどクセになっていき、次第に五十嵐氏のボーカルの危うさに惹かれていることに気がつきました。
    そこに自覚を持ってしまうと、もう沼からは抜け出すことが出来ず…。
    よくよくアルバムを通して聴いてみると、1曲目センチメンタル、2曲目Everything is wonderful…高校生当時の僕にとってはこんなに非キャッチーな曲をアルバムの頭に持ってくることは想像もつきませんでした。
    (誤解を恐れずに書かせて頂きますが、)個人的には、delayedは他のアルバムと比べるとキャッチーさには劣ると考えており、syrup16gを好きになるきっかけとして、このアルバムにRebornが入っていてくれて良かったと思います。
    数曲以外はあまり聴き込むことなく他のアルバムの探求に出かけました。
    そして一通りsyrup16gというバンドの魅力を理解してからdelayedに戻ってきた頃には、キミのかほりの飛び道具感のあるメロディにやられ、「愛と理非道が全曲の中で3番目ぐらいに好き」とまで言ってしまえるほどに変わっていました。もう虜でした。
    (さらに個人的には、愛と理非道がサイケデリック後遺症を差し置いて一番サイケな曲だと思っています)
    これからも僕にとって愛すべきアルバムの一つとして君臨し続けると思います。COPYも、Mouth to Mouseも、coup d’Etatも…

  4. 落堕、イントロですでにブチ上がります。ギターもベースもドラムもめちゃくちゃカッコイイ。ライブで聴いたときは興奮が止まらなかったです。
    Are you hollow?の「落ちない飛行機で君の街まで飛んでいけたなら」という歌詞が好きです。
    Anything for todayも大好きで、聴いてるとフラっとどこかに歩いていきたくなる曲です。

  5. 短大生だった頃、このアルバムをなんとなしに貸した友人全員がこっそりMDに録音していた、という出来事があったのを思い出します。
    静かで美しい夜の匂いがします。